· 

【金居原の大地と森をめぐる】金居原フィールドワーク④「ブランド木炭”金改炭”の歴史入門」

2020年8月22日金居原フィールドワーク④「ブランド木炭“金改炭”の歴史入門」をメンバー限定で開催しました。講師は金居原地区の山崎さんにお願いし、金居原のブランド木炭である“金改炭”の歴史を学びました。山崎清さんは、「金居原の歴史と森を守る会」のメンバーとして、金居原地区の近代化遺産である土倉鉱山の歴史を紹介され、金居原地区の森に関わる活動をされています。以下は、お聞きした内容の一部ですが、掲載させていただきます。

「この地域で生産される木炭は彦根藩の御用炭として納められていたもので、金改炭というのは、金居原改良社を立ち上げられて良質の炭の指導を行い、普及に努められたというところからくるようです。仲買人がこの地域に入り、炭を安く買いたたかれ、持ち込まれた商品を高くかわされるなど、この地区の人たちにとっては良くない状況であったため、何とかしようという思いから社を立ち上げられました。山奥で炭を焼き、背負っておろし、リヤカーで林道を運び、出荷する。朝は毎日1時間から2時間歩いて炭焼きに向かい、毎日を必死で過ごす。炭焼きのご苦労は大変なものだったようです。また、金改炭は長浜市内の燃料店にトラックで運び、市内の人たちには本当に良くしていただいたそうです。金改炭は固く日持ちするのが特徴で、品質が良く評判になりました。

かつて、昭和35年ごろ金居原180戸のうち、炭焼きをしているのが70戸。炭の需要がガス等に置き換わり、石油や電気などの使用により需要が激減し、昭和40年に金居原の鉱山も閉山しました。地域の2大産業が衰退し、以後過疎化が進むことになりました。」同時期にこの地で栄えていた二つの産業が衰退したのはとても残念なことです。今回の講座で金改炭を育てられた皆さんの努力があったことを知ることができました。都市部から移住して炭焼きをされている若い世代の方も参加されましたが、山崎さんは、炭焼きについての技術など惜しみなく教えてくださることもお話しされていました。