ながはま森林マッチングセンタ―事業概要



令和7年度 森林マッチングセンタ―事業計画(県委託・森林政策課)

【基本方針】

 平成28年10月から8年にわたって、県および市の委託費(交付金)により、山村地域の活性化モデルとして各種事業に取り組んできた。

その結果として、新たな森林山村資源の活用方法(森林空間利用策)を見いだし、長浜市内においても様々なコンテンツを自ら取組主体となって活用する任意団体の結成が図られてきている。

 これまで発掘されたコンテンツを各取組主体自らが企画・実行し、センターとしては中間支援組織としてコーディネートの役割を担ってきた。今後は、センターとして自らの自走に向け、観光・健康・教育をキーワードとした森林サービス産業の創出・推進にも取り組む。

 コロナ禍で大きく変容し、特に企業においては、『働き方改革』、『健康経営・健康投資』等企業経営や生き方の価値観、ライフスタイルの大きな転換期に移行している。このことから、市域の恵まれた森林空間資源の積極的な活用に向けて、市内外の企業のCSR・CSV活動への働きかけを行う。

 さらに、コーディネーターとして参画することで、センター自体の自主財源の確保にもつなげていくことを目指すものとする。

一方、これまで市の森林林業行政のアウトソーシング組織として取り組んでいる事業については、引き続き、より内容を充実していくものとする。

最終的には、より深い関係人口や交流人口の増加を図るなど森林・山村地域の活性化モデルとなる取組みを進めることする。さらに地域のステークホルダーが外部人材とともに、地域資源の活用における協力者、実践者として参加する下地づくりを目指すものとする。


【業務内容】(県委託)

●『やまと都市をつなぐ』森林山村地域活性化事業

1.森林資源ビジネスモデル事業

 これまで掘り起こし、事業化に向けた検証を行ってきた森林資源ビジネスが地域に定着し、将来的な自走化を目指すために次の事業を推進する。

(1)森林資源ビジネスモデル事業  

主要4事業(メープル部会・湖北野草研究所・グリーンウッドワーク・菅山寺および周辺の森林をフィールドとした体験交流事業)の収益性を高める等、

自走化に向けた支援、また、各事業の経営的な視点等からのコンサルティング

(2)森林山村地域魅力発信事業

森林山村地域の魅力を発信し、4事業の集客、自走につなげるために次の情報発信等を実施する。

・奥びわ湖・山門水源の森現地交流会

・森林山村文化の継承につながるイベント等(ウルシ)

・エコプロ2025(東京出展)

(3)森林・林業入門事業

山村地域での山仕事に興味のある都市住民等が山の仕事体験により、 森林・林業の入口となるような体験できるイベント等を実施する。


2.地域リーダー等人材育成事業

山村都市マッチングコーディネート 山村都市マッチングコーディネーター(1名)・補助員(1名)により、以下の業務を実施する。

(1)山村都市マッチングコーディネート

 山側の課題相談や都市側(個人からの林業就労や移住、企業、団体等からの森林内のCSR活動等)の相談対応、森林山村活性化に関する情報収集・発信等

(2)地域リーダー等の人材育成

・森林資源ビジネスモデル事業および森林山村地域魅力発信事業の企画等に関わる人材を対象とした研修会等の実施

・地域リーダーとなりうる人材への助言等 


●メープル部会(西浅井町山門)

メープル部会員

●湖北野草研究所(小谷上山田町)

講師:山下智道さん

●山仕事体験(西浅井町黒山)

講師:隅田あおいさん

●馬と森を歩く森林リトリート

(西浅井町黒山)講師:隅田あおいさん



●自然と人の共生事業(県委託)

 近年、森林の有する多面的機能等への関心が高まる中で、実際に森づくり等を体験する場の確保が十分とは言えず、課題となっている。このような現状を踏まえて、日本重要湿地500(環境省)、水源の森百選(林野庁)に選定され、多様な植生や生物に富む「奥びわ湖・山門水源の森」を活用することによって、森林をみんなで守り育てようとする意識の高揚と定着、森づくりへの県民参加の拡大と気運の醸成を図るものとする。(森林キーパー1名)


●地域資源活用エコツーリズム推進事業(県委託)

 県北部に群生しているトチノキなどの巨樹巨木林をはじめとした地域資源を活用しつつ、地域の自然環境を保全する仕組みづくりを進めるため、エコツーリズム を推進する。

(1)地域資源の保全と活用検討 

 巨樹巨木林が存在する余呉町、木之本町金居原、高島市朽木で、保全活動やエコツアーを実施してきた方々をはじめ、行政やまちづくり協議会、大学等、自然や文化をもとに地域の魅力の掘り起こしに関わってきた人たちによるミーティングの場を設定し、様々なアイデアを出し合って進むべき方向性を共有する。

(2)エコツアーの実施運営支援 

 巨樹巨木林を共通の地域資源とするエコツアーを一体感をもって実施できるよう、企画や周知方法等の調整を行うほか、持続可能な運営に向けた伴走支援を行う。

 


●金居原フィールドワーク

植物観察 講師:森小夜子さん

●金居原フィールドワーク

 地層を学ぶ 講師:斎藤眞さん

●金居原フィールドワーク

 トチの実拾い 講師:地元の方

●金居原FWリスクマネジメント講習

講師:砂山真一さん



令和7年度 森林マッチング推進業務委託事業計画(市委託)

【基本方針】

 市北部地域の魅力ある地域資源としてある森林が挙げられるが、過疎化・高齢化、また、木材価格の低迷等により、産業としての林業は衰退が進み、所有者不明の森林

や所有界不明瞭な森林の増加は、急速な山の荒廃を招いている。

 このような現状を踏まえて、平成28年10月から8年に亘って、国からの交付金により、山村地域の活性化につながる各種モデル事業に取り組んできた。

これまで豊かな地域資源を活用した就労体験や林業研修、環境学習等を実施することで、森林や農山村地域に対する関心を高め、都市部からの地域間交流をの推進につとめたほか、林業や森林資源活用に関する担い手の確保・育成を進めてきた。本業務では都市部から『選ばれるまち』となるように、引き続き、農山村地域た地域資源における魅力向上や情報発信に取り組むほか、森林の利活用に必要な専門技術や知識を実践する講習会に加え、身近な森づくり活動や体験交流事業等を通じて、地域住民や森林所有者等が協力者・実践者として、外部人材とともに、地域資源の活用に携われる環境を整える。よって、地域内外の多様な人材の参画と森林資源の利用拡大により、農山村地域の活性化を目指す。

●森林マッチング推進事業(市委託)

 林業や森林資源活用に関する担い手の確保・育成のために、引き続き、農山村地域や地域資源における魅力向上や情報発信に取り組むほか、森林の利活用に必要な専門技術や知識を実践する講習会に加え、身近な森づくり活動や体験交流事業等を通じて、地域内外の多様な人材の参画と森林資源の利活用の拡大により、農山村地域の活性化を目指す。

1.森林活用拡大事業

【1】森づくりマネージャー兼コーディネーター設置事業

 森づくりマネージャー兼コーディネーター並びに補助員を設置し、センターの運営業務を行う。また、林業普及相談員を配置し、技術支援を行うとともに、活動者同士の連携や組織化等を促し、活動者の主体的な取組に発展させる。

【2】森づくり活動等に関する普及啓発・情報発信

(1)多様な発信媒体を活用した広報(プレスリリース、HP・SNS、メールマガジン、寄稿等)

(2)市内の森づくり団体やその活動内容等に関する情報発信(随時更新)

2.森林活用実践事業

【1】資源活用者の育成(林業技術や知識を学ぶ連続講座やフォローアップ講習等の開催)

 森林山村資源の利活用に必要な知識や技術を段階的に体系立てて学ぶことができる連続講座や受講者のフォローアップ講習を定期的に開催し、受講者の着実な技術向上を図る。【講座】チェンソー等の安全講習、特用林産物生産研修(薪やシイタケ等)

【2】実践活動の機会提供及びそれに伴う実践フィールドの整備

 活動の定着化及び森林山村資源の経済的活用を推進するにあたり、林業技術の実践、特用林産物や薪等の生産等が行えるフィールドを整備し、意欲ある活動者が実践活動に携われる機会や仕組みを設ける。

 (1)市有林等の基盤整備

 (2)薪やホダ木等の生産・販売(経済的利用の実践)

【3】林業相談員の設置による技術支援と資機材貸出しによる活動支援

 市が所有する林業関連資機材を森づくり活動団体等に貸し出しすることにより、森づくり活動を支援するとともに、安全に使ってもらうために、操作講習会を実施する。また、良好な状態で利用できるように消耗品の交換や軽微な修繕等により適切に管理する。


●チェーンソー安全衛生講習会

講師:上垣林業 上垣秀和さん

●刈払機安全衛生講習会

講師:上垣林業 上垣秀和さん

●森カツことはじめ連続講座

講師:㈱ウッズラボ 田中崇弘さん

●原木シイタケ植菌体験

講師:梶川祐太さん



3.森林活用連携事業

 木材生産に代わる新たな経済的価値を創出し、地域や活動者と企業・教育機関等をマッチングさせることで、地域の主体的な関わりや多様な人材・組織による利活用や活動支援を促す環境を構築する。また、企業・教育機関等から賛助・協力などの外部活力を得て、活動者の自走化に向けたモデルづくりに取り組み、継続的に多様な人材が参画できるような環境の構築を図る。(森のスコラ・桜守講座・木製ベンチづくりワークショップ等)

(1)多様な人材・組織と地域・活動者とのマッチング

 ●企業・教育機関等への提案、他業界とのマッチング

  県立伊香高校『森の探求科』への講師派遣、活動者の紹介等の支援による教育機関との連携による若年層への普及

 ●企業・教育機関から賛助・協力の獲得により、自走化に向けた取り組みの実施(展示会等のプロモーション活動、企業ニーズの調査・提案活動)

(2)森づくり活動等に関する普及啓発、相談対応、支援活動

 


●長浜の自然と森に親しむ体験交流・保全事業

 市内の中山間地域(以下、「活動区域」という。)における地域活力を高めるため、活動区域の魅力発信および地域間交流の促進を目的に、地域資源の保全や保全活動団体の育成・支援に取り組むほか、森林や桜並木、自然公園等の地域資源を活用した体験学習や交流事業を行う。

1.森林環境保全員による自然や景観の保全活用

 中山間地域にある未利用資源の調査・発掘等に取り組むほか、奥びわ湖・山門水源の森や奥びわ湖湖岸の桜並木等をはじめとする地域資源の保全活動を

推進する。また、地域資源を活用し、地域の魅力発信や体験型観光の実践、都市住民等を対象とする関係人口の創出・拡大に取り組む。

2.木育推進事業

 教育・保育施設や一般公募の親子等を対象に、地域資源を活用した木育や自然環境教育の機会を提供し、自然を慈しむ心や地域への愛着心を育む。また、市内業者から購入した「ズレンガ」を市内の幼保施設に無償貸与して、木育活動の裾野を広げる。

3.奥びわ湖桜並木保全業務

 奥びわ湖の湖岸と奥琵琶湖パークウエイの22kmにわたり、3,260本の桜並木が続いている。そのうち6割強の桜が、花が咲かず、衰弱.・枯死につながる「テングス病」という伝染病に感染している。このため、「奥びわ湖桜並木保全方針(令和5年度策定)」に基づき、防除活動や抵抗性品種への更新活動、巡視活動を展開する。

【1】テングス病防除活動(被害拡大防止区域での活動)

 テングス病の感染が拡大しないように、被害甚大木における病枝の剪定と切断面の保護、樹木の状態によっては伐倒を行う。

【2】桜管理台帳の整備・保全手法の検討

 現在の桜並木のテングス病の感染状況を確認し、地域と連携した保全を実施するために、桜並木の台帳の整備や保全の進め方や手法について、樹木医等の専門家を交えて検討する。

【3】巡視活動(経過観察区域での活動)

 テングス病の感染状況等を確認・現状把握するため、該当区域において巡視活動を実施する。


●桜守講座2024春/大路地区

講師:松井章泰さん

●桜守講座2024春/三田地区

講師:松井章泰さん

●桜守講座2022秋/大路地区

講師:松井章泰さん

●桜守講座2022秋/三田地区

講師:松井章泰さん